§0019 日本人の証


 先日、和太鼓の演奏を聞く機会があった。どんよりと雲が覆うあいにくの空模様のなか、屋外での演奏にもかかわらず開演前から続々と見物人が集まり、盛況ぶりがうかがえた。開演時刻になりドンドンと太鼓を叩く音が鳴り始めると、その一角だけが別世界へと誘われた。

 地より足を伝い身体に響き上がってくる地鳴りのような音が、五臓六腑に響き渡り脳天までビビビッと痺れさせる。と同時に、その響きは血流に染み込んで体中を駆け巡る。痺れた脳と激流と化した血が、身体を奇妙な興奮状態へと導いていく。
 いわゆる「血涌き肉踊る」状態となり、身体中の細胞が戦闘モードに切り替わったかのようにブルッと武者震いをした。その興奮状態は何とも言えず不思議な感覚だった。

 戦国時代、出陣の際に気持ちを奮い立たすため太鼓を打ち、兵を見送ったそうだ。和太鼓の音を聞いて興奮状態になったのは、わたしの中の「日本人」というDNAが反応したからかもしれない。「わたしは日本人なんだな」と、妙に感慨深い気持ちになった。


(無冠の帝王)

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§0018 名古屋は県じゃないって!!


 通勤電車には思わずツッコミたくなるような会話が溢れている。
 先日もふと聞こえてきた会話に耳を疑った。「山口って、県だっけ?」。字にすると分かりやすいが、ありえない質問なので音で聞いたときは一瞬意味が分からなかった。専門学生風の女AとBの会話の続きはこうだ。
B「県だよ」
A「どのへんだっけ」
B「四国じゃなかった?」
A「え〜違うよ! 四国は高知と…あと何県だっけ?」
B「名古屋じゃない?」
A「名古屋は北の方じゃなかったっけ…」
 ちなみに、悲しいかなまったくの無修正。いや、本当に! 質問する方も答える方もあまりにトンチンカンすぎて、思わず「名古屋は県じゃないって!!」ってツッコミそうになった。
 若い子に世界地図を見せて日本はどこにあるかを聞く光景をテレビでたまにやっている。編集されているのだろうが、珍解答の連続にあぜん・呆然だったのを憶えている。以前に、小学校高学年の半分以上が「満足」という漢字が書けないことを伝える記事が新聞に掲載されていた。ゆとり教育の暗部が露呈した最たる事例だ。娘の来年の誕生日プレゼントは日本地図で決まりだ!


(ひあうぃーごー)

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§0017 NYから2


 2日、マンハッタンにあるマディソン・スクェア・ガーデンで行なわれていた共和党大会の最終日を迎えるなか、この事務所のあるビルが面する3rdAvenue(サード・アベニュー)をブッシュ大統領を乗せた車と護衛の警察車数十台が通過しました(ちゃんと見ていないので、おそらく・・・)。
 週末から十字路の各コーナーに2名の警察官が配置され、ものものしい警戒がなされるなか、このビルに面した通りでは火曜日の夕方からバリケードがはられ、何かあるのか?と思っていました、ようやく今日になって、大統領のお出ましということで納得。信号前には警察の車がブロックし、通りへの一般車の通行を禁止する一方で、2、3メートル間隔で警察官がバリケードの前に立ちはだかり、映画のワンシーンを見ているような感じでした。このビルからマディソン・スクェア・ガーデンまではかなり遠いため、その周辺がどのようになっているのかはテレビで見るしかないのですが、共和党と民主党を支持するデモ隊同士のけんかなどがあり物騒な光景も。個人的には、どこかに大統領を狙う人・グループがいるという恐怖よりも大量に配置された警察官の目の方が気になってしまい、何も悪いことをしていないのに精神的な苦痛を感じてしまっております。


(NY)

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§0016 メダルの質より量


 半年ほど前から、毎朝地下鉄の駅の周辺などで無料で配りだした18日付の「am New York」紙を見て、あれ?と思った。OLYMPICS: Americans lead in medals という見出しが目に入ったからだ。今朝、家を出る前に見たヤフーのインターネットニュースによると、中国が金10・銀6・銅2で1位、アメリカは金6・銀7・銅6で2位だったのに、いつの間にアメリカが4個以上も金を取ったのかと首をかしげた。
 そして本文の横にあるメダルカウント表を見て納得した。確かに、金・銀・銅合わせたメダル総数では、アメリカは19個で1位、中国は18個で2位だった。ちなみに日本は金6・銀2・銅1で、金2・銀5・銅5のロシアに次いで5位になっていた。
 日本人なら当たり前のようにして金銀銅の順にメダルの価値置くため、まずは金の個数で競い、同数ならば銀の個数、銅の個数と比べていく。アメリカ生活の長い同僚に尋ねたところ、アメリカでは昔からこういう比較の仕方をしていたらしい。とにかく、メダルを取れることが素晴らしいんであって、金銀銅にこだわらないということらしい。
 私は非常に違和感を感じたものだ。例えば日本人は、柔道の井上康生が決勝で負けて銀にでもなれば、その銀を称えるだろうかと疑問に思う。金を取って当たり前の選手が、それに失敗したとき、たいていの人は「でも、よくやった」と思うより前に「なんだ情けないな」と思うのじゃないだろうか。
 日本的にメダルの総数より質にこだわる私は、アメリカ人のように「よくやった、よくメダルを取った」的健闘の称え方をする方が、私なんかより健康的精神の持ち主のような気がしてしまった。


(CHICAGO)

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§0015 シカゴというところ


 思えば、シカゴに来たのは約10年前。最初から一筋縄ではいかなかった。
 シカゴの悪天候で飛行機がオヘア空港に降りられず、デトロイトまで緊急避難。それでも冷静でいられたのは、シカゴに赴任する前にニューヨークでいろいろと鍛えられたからだろう。電話の設置工事など、頼んだことをちゃんとやってもらえないことは当たり前、こんなことで腹を立てていたら、疲れるだけ損。予定通りに運ばないのが常と開き直ったら、肩の力が抜けて楽になった次第であった(もっとも、中国本土に赴任した知人からからは、お前はまだ人間ができていないと諭された。恐るべし、中国)。
 ということで、到着予定を大幅に遅れ、雪のシカゴに到着したが、気が晴れないのは天気のせいだけではなさそうだ。ガイドブックによると、シカゴはNY、LA(ロスアンゼルス)に次ぐ米国第三の大都会らしく、オペラはある、博物館や美術館もある、ビーチはないが海みたいな湖がある、ジャズもブルースも聴ける、ブルズにはジョーダンがいる...とのことだが、NYに比べると地味だ。垢抜けない。どうも都落ちの印象が拭えない。NYを東京にたとえるならば、シカゴは山形だと事情通に教えられたが(山形出身のNさん、ごめんなさい)、山形に行ったこともないのになぜか納得させられるから不思議である。まあ、家賃はNYより3割引だし、住めば都と言うではないか。アル・カポネばかりが住人ではあるまい。
 新しいところに引っ越した場合、まず最初にするのはサッカーチーム探し。サッカー好きや野球バカ、テニスきちがいというのはどこにもいるもので、シカゴにもチームがあった。冬でもできるようにインドア・サッカーのリーグに参加しており、ほとんど一年中、試合が組んであるらしい。インドアの試合に参加して久々に汗を流したが、終了1分前、ルーズボールを拾いにチャージしたところ、相手のひざが肋骨に入って鈍い音。胸は痛いし、何より呼吸が苦しい。息も絶え絶えに救急病院に転がり込むと、肋骨にひびが入り、肺に刺さったとのご診断である。専門用語で「気胸」というらしい。大学病院なので学生がベッドを囲み、足を指ではじいて「これは痛いか」などと聞いてくる。体に管を入れられ、2日あとにはステーキを食べさせられ、3日目には学生3人に体を押さえられて管を抜き、めでたく退院である。
 他にも、冬にもかかわらず薄着で闊歩したところ、露出している耳や顔が真っ赤になってしびれてしまい、商談にならなかったことや、さすが通称ウィンディー・シティー(風の街)、雪が地面と平行に降るなど、自然の猛威に閉口させられた。シカゴは手強い。
昨年末は、失神したときの打ち所が悪く、頭の骨を骨折した。でも、シカゴに来て良かったと思う。ネブラスカの人からみると、クラクションを鳴らすのが多いためシカゴのドライバーはマナーが悪いらしいが、自分の経験から言って、NYよりかなりいい。タクシーの運転手はちゃんと挨拶をするし愛想もいい。何より、他人に親切にすることは、カッコいいとは言わないまでも、励行されている。変なやつはどこにでもおり、シカゴにも危ない所はごまんとある。悪いところを探せばいくらでもある。でも、この街はよそ者を受け入れる包容力みたいなものがある。それが外人にも心地よい理由であろう。


(CHICAGO)

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§0014 道路とドライバーは最低


 NYでは、週末から水曜日まで不安定な天気が続いていました。マンハッタンは古い街なため排水溝の設備が充実しておらず(と言うか、排水溝をみかけることがない)、あちこちで水溜りがすぐにできてしまいます。マンハッタンから離れた郊外では、道路に車が水没してしまっている映像を良く見ます。NY市・州の厳しい財政事情から、道路はぼこぼこで、水はけが悪いためでもあります。ただ、道の真ん中が盛り上がり、両脇が低くなるように工夫はしているようです。

 道の悪さゆえに車を運転することをためらってしまうのですが、日本と異なるこちらの運転事情などを紹介したいと思います。まず、強引すぎる駐車の仕方。日本人であれば、ふつー、駐車する際、前後にある車との感覚を考慮するはず。こすったらまずいなー、とか。ニューヨーカー(死語)は、そんなことは一切考えません。自分が運転している車が入れるスペースを見つければ、前と後ろに停車している車のバンパーに器用に(?)あてながら、よいしょ、よいしょ、と入れます。ぎゅーぎゅー詰めとなっている場所から、「どうやって出るんだよー」と思うのですが、とにかく駐車するのが先決。このためNY市内の車のバンパーの多くが、傷だらけとなっています。

 高速を走っていると、良く逆走を見かけます。もちろん無茶なニューヨーカーでも進行方向とは逆に向かって突っ走るようなことはしません。ここで言う逆走とは、出たいEXIT(出口)を通りすぎてしまった時に、次のEXITまで行かず、後ろから向かってくる車に思いっきりクラクションを鳴らされているにもかかわらず、ギアをバックに入れて、そろそろと出たいEXITまで戻ることです。運転していると「えっ!」と思うのですが、逆走しているドライバーは他人のことにはお構いなしです。とにかくそこで出たい一心であり、出ることを優先するためです。

 日本と違って車間距離を取る感覚がなく、ぎりぎりのスペースさえあれば、平気で割り込んできます。右折や左折のサインを出すこともなく、ブレーキを踏むこともなく、レース感覚です。また、横断歩道では歩いている人が優先されると思うのですが、どんどん突っ込んでくるため、轢き殺される恐怖を感じることが良くあります。日本では前の車にクラクションを鳴らすと恐い目にあうようですが、こちらは鳴らし放題です。「信号が青だよ」とか注意を促すためなら良いのですが、(おそらく)「早く行け」とか「止まるな」とかいう理由ですぐに後ろからぶーぶー鳴らされてしまい、頭に血が上ること数知れず・・・。ニューヨーカーは思うままに生きています・・・。

 イエローキャブ(タクシー)やリムジンサービスなどのドライバーの運転は荒く、JFK空港やニューアーク空港からマンハッタンに来る際には気をつけた方が良いでしょう。イエローキャブのドライバーの人種構成で最も多いのは、ベネズエラ出身と何かに書いてありましたが、僕が良く見かけるのはインドやパキスタン、中東出身の方々で、どちらかと言えば安全運転です。黒人のドライバーには、陽気な人が多く、親切なような気がします。

 また、乗車拒否は良くあります。理由は、「そこに行きたくない」ため。ブロンクス、ブルックリンやクィーンズの危険な地域は仕方ないとしても、日中はマンハッタン内から出るのをひどく嫌がります。稼ぎに直結するからでしょう。一方、特にブロンクスとブルックリンの悪名高い場所に間違って入ってしまった時の恐怖は体験してみないと分からないでしょう。一瞬にして空気が違う!ことが分かります。顔には絶対出しませんが、車が(故障などで)止まらないことを必死に祈るだけです。ニューヨークでの運転は、本当にストレスが溜まるだけです。


(CHICAGO)

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§0013 オーバーエイジ枠


 サッカー男子五輪代表にオーバーエイジ枠で選出されたゴールキーパーの曽ヶ端選手は、前回アトランタ大会のとき、オーバーエイジ枠で加入してきた楢崎選手とのレギュラー争いに敗れて、本大会ではベンチにも入れずスタンドからの観戦という苦い経験をしている。今回は当時の楢崎選手の立場となって五輪代表に帰ってきた。
 予選を戦っていないオーバーエイジ枠の選手に求められることは何か。チーム内の精神的な柱としての役割。これは強烈なキャプテンシーを発揮する田中マルクス闘莉王選手で十分。では経験か。前述したように残念ながら曽ヶ端選手はオリンピックの舞台を踏んでいない。それでは何なのか? それは「メダル獲得」という明確な結果だ。
 山本監督は現在でもテストマッチで選手の見極めを行っている。先日のチュニジア五輪代表とのテストマッチで、曽ヶ端選手はキャッチミスをして先制されてしまった。ただの凡ミスだ。後半に向けて気持ちを切り替えるために、テレビ解説者は「早く忘れましょう!」と言っていた。これが普通の選手であればそれでもいいだろう。変わりの選手はいっぱいいる。しかし彼はオーバーエイジ枠の選手だ。レギュラーの座を約束されていると言ってもいい。本大会のメンバーに選出されなかった選手やレギュラーの座を奪われた選手のためにも、テストマッチであれオーバーエイジ枠の選手には結果を出してほしい。
 時を同じくして、曽ヶ端選手より年下の高校球児は甲子園の舞台に立つことを目指して白球を追いかけている。彼らには3年間という短い期間が設けられているうえに、もちろんオーバーエイジ枠などなく、この夏が最後のチャンスなのだ。もう後が無い高校球児のように、曽ヶ端選手には貪欲に結果を追い求めて欲しい。オリンピックの舞台で日本の守護神として活躍する姿を容易に想像させるだけの経験や活躍をしてきている選手なのだから…。ガンバレ曽ヶ端! ガンバレ日本!!


(無冠の帝王)

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§0012 大統領選挙の風刺漫画が大受け


 日本同様、主要テレビ局は、夕方の5時から一斉にニュースを放送します。どこも似たり寄ったりなのですが、6時30分からの30分間は、ABCがピーター・ジェニングズ、CBSがダン・ラザー、NBCがトム・ブロゥコゥという各局の顔であるスーパー・アナウンサーがホストを務める番組が放送されます。最も人気のあるのがNBCのトム・ブロゥコゥの番組(ナイトリー・ニュース)なのですが、彼は取材などで忙しく、週に3回くらいしか出てこなくなり、この12月には番組を下りることとなっています。と、彼の説明はどうでもよく、今回は、20日の同番組内で放送されたものを紹介します。

 11月の大統領選挙に向け、今月下旬には民主党がボストンで、来月末には共和党がニューヨークでそれぞれの候補者(すでに決まっておりますが)を指名する党大会を行ないます。ここニューヨークでは、(ほとんどの人に嫌われていると思われる)ブルームバーグ市長(共和党)が、早くも会場近くでのデモを禁止するとかしないとか、デモ隊との言い争いが始まっており、早くも場外戦はヒートアップしております。そんなに興奮しなくてもと思うのですが、当人らは必死であります。

 20日のナイトリー・ニュースでは、カリフォルニアに住む兄弟が作った大統領選をチャカした風刺漫画(カートゥーンと言います)がウェブサイト上で大変人気、と伝えていました。日本のアニメーションを見慣れているため、とてもちゃっちーものに映るのですが、日中はアクセスが殺到するため、なかなか画像が出てこないようです。すでに日本で紹介されているのかもしれませんが、見たことのない方は一度、ご覧になってください。

   www.jibjab.com

 言葉が分からなくても漫画なため、見ているだけで面白いと思うのですが、いかがでしょうか?個人的には、民主党の大統領候補を決める選挙戦の初め、非常に優位に立っていたバーモント州元知事のハワード・ディーンが「イヤーホー?」(こうとしか聞こえません)と奇声をあげるシーンなどは笑えます。なぜ?と思われますでしょうが、ディーンの奇声のシーンは当時、連日、嫌になるほど繰り返し放送されており、大統領になるべく人格に欠けるとしてやり玉に上げられていました。

 NBCテレビのサタデーナイトライブや、最近封切られドキュメンタリー映画としては記録的なヒットとなっている「華氏911」でもみられますように、ブッシュ大統領は茶化されるネタの宝庫みたいで、ほとんどがちょっとおかしい設定となっています。一方、民主党のケリー大統領候補は、いつみてもぱっとしない表情、あごの長い顔などが標的となっており、こちらもおかしく描かれております。

 最近は、2候補の娘さん達も比較されており、ブッシュ大統領家の双子の娘さんが悪く描かれているよーな気がします(双子の一人が飲酒で捕まったりなど素行に問題があるためでしょーか)。

 良くも悪くも中傷合戦は当たり前のようで、投票日が近づくにつれどんどんエスカレートして行くことと思われます。ただし、ブッシュ米大統領がまた何かしてくれないかと、皆さん期待していたりして。


(NY)

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§0011 訴訟の国を実感


 全米第2位の証券会社、モルガンスタンレーは12日、ニューヨーク連邦地方裁判所での裁判開始間際に、男女性差別訴訟の和解に応じ、訴えていた元同社の債券トレーダー、アリソン・シェフェリンさんと雇用当局に対し、総額5400万ドルを支払うことで合意しました。同社は、給与や昇進を巡り女性社員に対して不当な扱いをしていたもよう、とのこと。

 13日付けのNYポスト紙には、原告のシェフェリンさんのビッグ・スマイルの写真が載っております。そもそも彼女がモルガンスタンレーという世界に名だたる企業を訴えるきっかけになったのが、ストリップショーや(女性の)胸を形どったバースデーケーキのような、バチェラーパーティー(独身者のパーティ)でのおふざけに耐えられるよう強制されたためだとか。

 彼女はトレーダーとしてかなり優秀で、1998年には$1.35ミリオンを稼いだのですが、2000年には昇進できなかったことにクレームをつけたところ、クビになったそうです。今回の和解で、彼女の元にはなんと$12ミリオンが支払われます。

 米国は良くも悪くも訴訟の国です。昼から夕方にはテレビで些細な訴訟(当人にとっては些細ではないのしょうけど)番組が放送されています。女性のCEO(最高経営責任者)が極端に少ないことなどを考えると、モルガンスタンレーの例を出すまでもなく、まだまだ社会は男性が支配しているのが現実であります。ただし、その男世界に対して戦いを挑むのがまさに米国の女性という感じで、軟弱な男にとってはこわーい国です。


(NY)

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§0010 NYから


 米独立記念日の4日、ここニューヨークでは真夏日となり、午後9時20分からはイーストリバー沿いで、大手百貨店メーシーズ主催の恒例の花火が30分間くらい打ち上げられ、好天と湿気に恵まれたおかげで、きれいに見えました。例年、注意して見ているわけではありませんが、心なしか昨年よりも豪勢だった感じも・・・。

 私が住むクィーンズでは、メッツ球場前のフラッシング・メドゥズ・コロナ・パーク(全米オープン・テニスが行なわれるコートなども含む巨大な公園)で毎年、派手な花火が楽しめたのですが、一昨年、この花火を提供していたモブ(マフィア)のボスが亡くなったため、2年連続して花火は実施されませんでした。モブが弱者から巻き上げたお金で住民に花火を提供するという、一種のマネーロンダリングが続いていたものの、ドンの死後はもう見納めなようです。

 ついに民主党のケリー米大統領候補が、副大統領候補にノースカロライナ州のエドワード上院議員を選びました。ケリーさんの人気が今ひとつ盛り上がらないだけに、ゲッパードさんのような重鎮ではなく、カリスマ性のあるエドワードさんを選んだのは今後の選挙戦で有利に働く、と伝えられています。エドワードさんは、裕福な家庭の出身ではありません(米国では特にここがポイント)。50歳に見えない若さ、トライアル・ローヤー(法廷弁護士)で成功し、巧みな弁舌で万人に受けが良いです。今朝のNYポスト紙によると、エドワードさんは過去20年間の弁護士生活で、60件の訴訟で計2億0500万ドルをクライアントにもたらし、1997年の訴訟ではノースカロライナ州のレコードとなる2500万ドルを勝ち取りました。まさにスーパー弁護士であり、彼の保有資産は7000万ドルだそうです。ただし、輝かしい履歴の反面、1996年4月4日には長男(当時16歳)を自動車事故で亡くしています。この事故がきっかけとなり、政治の世界へ入ったそうです。

 ようやく顔ぶれが明らかとなったことで、米大統領選挙は11月の決戦に向け、激しい争いが火ぶたを切ることとなります。ブッシュ米大統領を痛烈に批判している映画「華氏911」が、ドキュメンタリー風なものとしては記録的な興行成績をおさめており、風は民主党候補に有利に吹いている気がします。ニューヨークでもマンハッタンから離れれば離れるほど人や町は保守的となるわけで、意外にメディアが伝えるほどブッシュ米大統領が窮地に立たされていることはないのかもしれませんが、日本人の冷めた目で見てもブッシュ米大統領が再選されるようであれば、世界から米国がますます孤立するのは間違いない!かも。
 
 最後に、サントリーの「山崎」というブランドのウィスキーの広告が、電話ボックスの横に貼ってあるのを見ました。どこかのお寺と花火の写真とともに。ウィスキー派ではないので何とも感じませんが、広告場所があまり良くないなー、と。


(NY)

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