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「Gold Demand Trends For Q2 2010」
2010年9月1日

 先日WGCより第二四半期の金需要に関するリサーチ「Gold Demand Trends For Q2 2010」が発表されました。これは毎四半期に発表されるリサーチで調査自体はGFMSが請け負ってやっているものです。今週はこれをざっくりみてみましょう。

「概況」

 2010年後半の金需要は以下の点において下支えされると予想。

・2010年後半もインドと中国が金宝飾を中心とした需要の伸びの中心であることは変わらず。

・欧州では個人の金投資がその勢いを保つ。


・長期的視野からは、中国国内の金需要は大きく伸びるであろう。最近発表された中国人民銀行と五つの機関による中国国内の金市場の発展のためのレポートは、中国の人々の間での金保有をいっそうすすめる促進剤となるだろう。

・特に日本と米国の経済復興の兆しにより、電子需要は再び史上最高のレベルまで増加しそうである。

「2010年の金需要統計」

・2010年第二四半期の金需要は前年同期と比べて36%増加の1050トン。これは主に投資の伸びによるもの。ドル価値では77%の伸びで、404億ドル。

・投資分野がもっとも大きく伸びて118%増加の534.4トン。昨年同期は245.4トンであった。

・この中でももっとも伸びたのはETFで、414%の増加で291.3トン。金ETFの歴史上二番目に増えた四半期となった。


・金現物のバー需要は欧米以外が中心だが、前年同期から29%伸びて96.3トンになった。

・世界の宝飾需要は2010年第二四半期も健全であった。金価格の大幅な上昇にもかかわらず408.7トンになり、前年同期に比べてもわずか5%の減少にとどまった。

・世界最大の宝飾市場を持つインドの需要は、昨年とほぼ変わらず、2%の減少で123トン。現地通貨であるルピー建てでは、20%もの需要増加になったことになる。

・中国の宝飾需要は5%増加し75.4トンとなった。人民元ベースで考えると35%もの増加になる。


・電化製品の需要の回復から、工業需要は前年同期比14%伸びて107.2トンへ。

「感想」

 価格が1200ドルを超えて史上最高値にあるのに関わらず、需要が非常に強いのが印象的です。以前であればスクラップを中心とした売りが頭を抑えるところを、投資のマネーがそれを飲み込んでいるという図式です。ETFの伸びはその典型的な事象でしょう。また経済危機を経験した欧州において個人の金投資が先例を見ないほど盛り上がりを見せていること、そして何よりも本格的な胎動を始めた中国の個人の金市場へのアクセスも、この高値にもかかわらず、需要の増加を予想させます。

 やはり、こういった数字をみても中長期的には一段高を予想せざるをえないと考えます。

以上

★池水氏によるブルースレポート
http://www.ovalnext.co.jp/bruce/





 池水雄一氏は日本を代表する貴金属のトップディーラーである。大手商社、外銀などのトレーディングルームの第一線で活躍してきた。更に、海外での知名度も高い。ブルースというニックネームで親しまれ、業界の川上(鉱山会社)から川下(実需ユーザー)に至るまで幅広い友達の輪(ネットワーク)を築いている。

 仕事を離れれば二児の良き父、週末には八ヶ岳の別荘の自家農園で野菜作りから山登りにまで汗を流す。

 多忙なスケジュールにもかかわらず、毎朝"知る人ぞ知る"ブルースレポートというメール通信を書き続け、マーケット全般からグルメレポートまで多岐に亘る鮮度の高い情報を発信し続けている。

 その彼が、以前書き下ろした"ゴールドディーリングのすべて"という金の教科書をアップデート(改訂)するという。実に楽しみである。世に金に関する著作物は多いが、本当に金を知る人が書いた信頼できる本は見当たらないのが現状だ。金を真面目に知りたいと思う人には是非一読を薦める。