竹本淳一の鞘取りの極意 情報提供:投資日報

基礎知識から応用まで No.21

07年6月15日時点の方針。

【東京一般大豆】07年6月15日の納会日に当限価格が前日比で▲2640円も急落し、当限〜3番限の逆ザヤが一気に解消され順ザヤに戻りました。当限月を利用する鞘取りはリスクが高いためお勧めしませんが、当限〜2番限のサヤ値変化には常に注目しておくべきです。

 新甫発会の値は現時点07年6月15日では未定ですが、上ザヤ発会になるものと思われます。サヤチャートを見ると先行指標の5番A月限―2番G月限の値も順ザヤに転換し拡大。グラフ上での先限C月限―3番I月限のサヤは、まだ拡大のトレンドを割ってないと判断。

 順ザヤの拡大傾向は継続と判断します。新甫発会の値は現時点では未定ですが、上ザヤ発会になるものと思われます。先週に引き続き、順ザヤ拡大狙いのポジションを基本に攻略していきたい。

【東京NG大豆】3番限〜4番限のサヤは、かなり高い順ザヤ状態+2700円になっています。ここを含む先限月Cと3番限月Iの縮小を、低い証拠金を武器に、小枚数・分割で仕掛けていきたい。先限―3番限サヤ値・5月21日+4060円近辺を損切り目安とするのは前週と同じです。

【東京アラビカ】期近からのサヤ滑りにより当限〜2番限のサヤ値は07年6月7日+90円→07年6月15日+990円に拡大。在庫過剰の順ザヤ形態が進行しています。期中・近売―先限買の順ザヤの拡大狙いで仕掛けていきたい。


【異銘柄 NG―一般大豆】先限C同士のサヤ値は+5680円。天井を6000円近辺と定めて逆張り的に、NG大豆売り―一般大豆買いの戦法で取っていきたい。先行指標、5番限同士のA―Aのサヤ値は+5210円。サヤチャートでは、縮小=下落トレンドから、少しレンジ気味に変化。5300円近辺が、サポート&5800円近辺がレジスタンスか。しばらくは、このレンジで動くと予測。短期で仕掛けて、200〜300円幅を利食いの目安としてはどうでしょうか。

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基礎知識から応用まで No.22

07年6月22日時点の方針。


 【東京一般大豆】先週、順ザヤ拡大狙いのポジションを基本に攻略していきたいと書きましたが、C月限―I月限のサヤは07年6月15日+1240円→同年6月22日+2090円と拡大。18日に新甫限月E月限が先限として発会しましたが、新甫先限E月限―3番限度K月限のサヤ値の変動は非常に小さい。18日+2040円→22日+2000円。これからどちらの方向に抜けるのかを見極めたいところ。大きな流れとしては(順ザヤ拡大狙いのポジションを基本に攻略していきたいところです。)


 【東京NG大豆】前週、縮小狙い方針で、と書いたが、いったん(損切りを行いました。)理由は、前回のサヤの高値、07年5月21日+4060円に到達し、上抜いたため。07年6月19日+4060円・20日+4240円。在庫過剰型の順ザヤが定着か。サヤチャート上で天井を確認するまで縮小狙いは早計でした。逆ザヤであった2番限と3番限の隣同士のサヤ値も順ザヤに戻りつつあります。


 【東京コーン】07年6月18日に新甫発会と、シカゴの大幅高値による暴騰が重なってしまい、新甫の先限F月限は、5番限D月限に対して、異常に高い上ザヤとなりました(+740円)。この理由としては、売り方が、損切り覚悟で買い戻しをしたいが、終日ストップ高張り付き状態のため注文が通らず、やむなくヘッジの目的で、誕生したばかりの先限を新規買ったためです。翌日より、ここで一時的についたプレミアムが剥がれていき、先限―5番限のサヤは+740円→+390円にまで縮小しました。

 天候相場により、値段の乱高下が続き18日はストップ高・22日はストップ安が出るなど荒い状態です。通常ストップ高安が続いた時にサヤ取り派は、サヤの変化が無いため安心していられるのですが、東京コーンは倍率と値幅制限が、先2本と他の限月と異なる過渡期ですので注意が必要。この影響で、15日から22日にかけて大幅にサヤが縮小しています。

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基礎知識から応用まで No.23



 穀物銘柄が天候相場の真只中である07年7月時点、ここ数年の傾向として、7月初旬から8月初旬までの約1ヵ月は、大豆銘柄の順ザヤは拡大傾向にあるようです。上記グラフをご覧ください。05年・06年の一般大豆のサヤのチャートですが、非常にシーズナリティーが出ています。

 天候相場の時期においては、一般大衆の人気による売買で、降雨になれば先限が売られ、高温・干ばつ懸念になれば先限が買われる。需給相場の時期と比べて、当限価格主導でサヤが変動するよりは、一般大衆の人気による売買でサヤも変化しやすいです。

 そして豊作か凶作かが、はっきりと分からない時期では、心理的にも先限の期待買いにより、順ザヤは拡大しやすい。ちょうど7月初旬の今の時期に当たります。この時期は、サヤの拡大のトレンドが継続している限りはそれに従い、先限を買って中限を売るポジションが有利であると考えられます。

 ただし日本のコメと同じく、8月のお盆の前には、もう今年どれぐらいの収穫高が予想できるかが、およそ把握できてしまうので、8月初旬から中旬にかけて、過剰についていた先限のプレミアムが剥がれて一気にサヤは縮小しやすい傾向にあるといえます。

 6番限―3番限のサヤで見ると、05年度は8月8日には3000円がピーク。06年度は8月7日には4440円がピークとなっております。

 気をつけたいのは、順ザヤの縮小を狙う場合、資金力を省みずに過去のサヤの高値だけで判断をして「もうサヤ値の天井だろう」と仕掛けると、資金的に持ち堪えられずに損切りを余儀なくされるケースが昨年度は見られました。05年度の最高値は3000円ですが、ここを基準にサヤの縮小狙いを無理なナンピンで仕掛けていくと、1組1440円幅=7万2千円の含み損に耐えられず損切、直後に縮小といった形です。また天井をつける時期はあくまでも傾向であって絶対では無い事を意識。天井が分かり、損切ポイントがはっきりしてから仕掛けても遅くはないでしょう。

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基礎知識から応用まで No.24

 今回はアラビカコーヒーのサヤに注目してみます。


 アラビカの特徴として、順ザヤの拡大狙いの仕掛けが有利なことが多いですが、07年7月6日時点では、6番限―3番限のサヤD―Jは+1740.5番限―2番限のサヤB―H+2150.6月18日に目先のピーク+2310円をつけてからは、じりじりと縮小を続けております。ブロック帳を見ても、『在庫過剰の順ザヤ』状態と異なり、当限〜2番限の隣同士のサヤ値は、+150円と非常に小さな順ザヤ状態です。期近からのサヤ滑りは期待できない。

 2番限と3番限のサヤ値は、+1040円とかろうじて4ケタを保っていますがサヤチャートの形から判断しても、ブロック帳の形から判断しても、縮小狙いが有利な模様です。


 アラビカ自体の価格が一旦目先の天井をつけて、07年6月24日先限価格の終値 24200円そこから価格が急落。その際には先限先行で下落。一般大衆による、前途期待の買い付けによる先限価格のプレミアムが、剥げ落ちたものと見ます。

 例年、季節的に6月から9月までの期間は、アラビカの順ザヤは縮小しやすい傾向にあります。2005年度は大幅に縮小し、小さな逆ザヤをつけるまでに至りました。2006年度は1000円を割るまで縮小すると、そこから反転、拡大をしていきました。

 もう一つ注目したいのがアラビカとロブスタの異銘柄のサヤ取りです。若干リスクは高い取引です。先限同士の価格を比較するとアラビカ安値、ロブスタ高値と逆転現象を起こしております。アラビカが順ザヤ・ロブスタが逆ザヤの状態である限り、アラビカ売り―ロブスタ買いに優位性があり、サヤチャートの上でも、継続中です。

 難点としてロブスタの流動性の薄さがあります。先限はかろうじて出来高があるものの、他の限月の流動性が非常に小さいので、先限同士で仕掛けて納会日を迎え、5番限に切り替わると、利食いをして乗換えをすることをお薦めします。

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基礎知識から応用まで No.25

 07年7月度も半ばを過ぎ、コーン・大豆・アラビカといった穀物銘柄のサヤの変動を、昨年・一昨年と比較すると若干変化が感じられます。05年・06年は、サヤの拡大傾向が顕著に見られ、またサヤ値にトレンド性が出やすかったのですが、現状ではどちらかというと、不規則、またはレンジで動く傾向となっております。

【一般大豆】
 07年6月18日の新甫発会日からではサヤチャートの値は、2000円を境に、1870円〜2320円までの範囲での小さなレンジの動きです。先限価格自体は、新高値を更新しておりますが、期近・期中のサヤ寄せ顕著。前場寄付では拡大するものの大引けには戻す=縮小といった傾向が、続いております。 やや逆張り気味に縮小狙いが有利な展開かと見ます。

【NG大豆】
 一般大豆と比較してややサヤ値の変動幅が大きいです。現時点では、6番限―3番限のサヤ値と、5番限―2番限のサヤ値の間に乖離が生じており、5番限―2番限のサヤ値を見ると、07年6月26日+4680円をピークに縮小の傾向が続いております。

 注意点として、現在3番限月に当たる12月限と、4番限度に当たる2月限の隣同士のサヤ値のみが逆ザヤ化。7月11日に▲600円まで逆ザヤが拡大したことにあります。昨年度、この12月限と2月限のサヤ値は、逆ザヤが▲1万円近くにまで達しましたので、拡大方向に仕掛ける場合、ココが順ザヤに復帰するのを確認してからのほうが良さそうです。

【アラビカコーヒー】
 サヤ値が6月18日6番限―3番限のサヤ値+2310円をブレイクして拡大が進行しない限り、縮小方向への仕掛けが有利と見ます。

【東京ゴム】
 長い間、逆ザヤ〜同ザヤ状態が継続していたが、7月日に逆ザヤの大底をつけて一気に順ザヤ方向に。 0をまたぎ、順ザヤ状態が定着をすれば、先限買い、中限売りの拡大狙いで行きたいところです。

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基礎知識から応用まで No.26

 07年1月度より、『鞘取りの極意』の連載を始め、お蔭様で半年が経過。初めて商品先物に触れるという読者の事も考え、初歩的な内容に戻ることに致しました。


 株式から商品先物取引に入った初心者が、まず魅力的に感じるのは、商品先物特有の倍率=レバレッジの高さです。株式では信用取引でも3.3倍まで。ところが【商品先物の場合は銘柄にもよりますが(図表T参照)17〜38倍の高いレバレッジです。】1枚の東京ゴムを買うことはわずか7万5千円の証拠金で130万4千円分の取引を行っていることになります。

 よくある間違いが、現物株を買い付ける感覚で一気に預け入れ資金を目一杯利用して、(初心者は特に、資金を余らせるのをもったいないと感じてしまう)玉を建ててしまうことです。買いのみ・売りのみの片張りの場合、満玉を張ると、少しの逆行で、あっという間に追い証がかかり資金を失ってしまいます。

 しかし鞘取りならば、株と比較すると低額の証拠金で、買いポジションと売りポジションを同時に持つことになるので、この高レバレッジを、程よいレベルで利用することが可能です。さらに急騰急落や為替の変動にも強い。

 「鞘取りではあまり利益が出ない」と敬遠する方もいます。確かにそうですが、それは片張りと比較した場合です。【証拠金に対する利益率で比較すると、現物株の売買と比較しても遜色がありません。】


 07年6月20日〜7月20日の1ヶ月間、各種銘柄の、【3番限のサヤの最高値(拡大の極値)と最安値(縮小の極値)を見ると(図表U参照)】柄のサヤも比較的動き、最大と最小で取れた場合1組あたり18%〜30%近く取れる計算です。(NG大豆はサヤ値が極端に動きました)

 もちろんサヤが拡大するか縮小するかを予測する必要がありますが、この1ヶ月間、穀物銘柄は、ストップ高・安を交互につける日もありました。鞘取りだと、多少相場の腕が鈍くとも、【安全性は飛躍的に高くなり精神的に落ち着いてトレードができます。】

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基礎知識から応用まで No.27

 鞘取りを行う目的の一つとして突発的な急騰・急落に対して非常に強い点が挙げられます。07年7月25日金曜日に日経平均株価は418円下落。外国為替市場は前日比、一時2.17円高ドル安になり貴金属やエネルギー銘柄を始め商品市場も下げました。

 為替の大きな変動を受けたときに同銘柄・異限月の鞘取りのポジションであれば、売りのポジションにも買いのポジションにも同じようにその影響を及ぼすので、安心していられます。為替を気にしなくてもよいので、片張りよりも一つリスク要因が減ることになります。

 また、サヤの値動きは通常は比較的おとなしく規則的です。片張りでトレードを行う場合、損切りの逆指値やストップ注文を入れて防御をすることが多いですが、大口の注文による『騙し』により短期的に損切ポイントまで価格が下落して振り落とされた後、何事も無かったかのように値動きが元に戻るといった混乱やブレが、しばしば発生します。


 一般大豆の先限価格の日足チャートを見ると、07年6月25日〜29日の1週間は1日おきに陽線・陰線・陽線…と方向性無く交互に動いており、片張りで取っていくのは難しいです。『騙し』に遭いやすい。また07年7月13日に高値をつけてからのストップ安2連続では素早く方針を切り替える必要があります。


 同時期のサヤの変動をグラフで見ると、07年6月後半〜6月末にかけてサヤ値は2000円前後であまり変化が無い状態が続きました。この期間は辛抱。徐々に縮小の傾向が見られました。そして07年7月17日+2020円→7月18日+1800円と縮小の勢いが加速してきておりますのでここが縮小狙いを仕掛けるポイントと見てもいいでしょう。

 鞘取りで拾える利幅は、片張りのときと比較すれば小さいですが、週末、シカゴの天候を気にする必要もなく精神的に安心して持ち越して利益を伸ばすことも可能です。天候相場が終焉するまでは、まだ順ザヤの縮小狙いが有利でしょう。

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基礎知識から応用まで No.28

 商品先物取引の鞘取りには各種手法がありますが、まずは低リスク・ミドルリターンの同銘柄・異限月同士の鞘取りからチャレンジをするとよいでしょう。ただし対面での取引では利益に占める手数料金の割合が高くなるため、手数料の安いネット取引を強く推奨します。

 日本国内の商品先物市場では、6つの限月のうち、先限月(6番限)が、最も出来高が高く、当限月(1番限)になるに従い出来高も小さく流動性も薄くなります。このため、先限と3番限のペア・先限と4番限のペアのように先限と他の限月の組み合わせを選択することが多いです。

 同銘柄・異限月同士の鞘取りをする場合には、大きな流れをつかむために6番限―3番限の鞘のグラフも必要ですが、より詳しく毎日の鞘の形の変化を把握し、さらに仕掛ける限月を選択するために、ブロック帳をつけるとよいでしょう。


 ブロック帳をつけることによって、1つの銘柄につき、15通りの異限月同士の組み合わせが見えてきます。一般大豆とアラビカコーヒーの2銘柄の、7月30日終値でのブロック帳と、サヤの形状を図表で表してみました。手で書いてつける習慣を持つことで、ブロック帳を見ただけで上記の図表のように、サヤの形状が、頭に描けるようになります。

 一般大豆は、当限〜2番限〜3番限の間が、逆ザヤ状態です(隣同士のサヤ値がマイナスの値)。さらに期先2本の間のサヤ値が相対的に大きいため、オカメザヤ&前途期待型の順ザヤ状態といえます。このような形状のときは、先限売り建て、中限買い建てで順ザヤの縮小狙いが有利になりやすい。

 その一方で、アラビカコーヒーは、期近限月間のサヤ値と期先限月間のサヤ値を比較すると、期近限月間の方が、やや順ザヤの値が大きいです。(+1370・+890>++330・+610)

 どちらかというと、在庫過剰の形の順ザヤ状態です。このようなときは、順ザヤの拡大狙いで利益を狙えないか?をまず考えてみてください。

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基礎知識から応用まで No.29

 07年8月13日〜17日のお盆前後に、米国サブプライムローン焦げ付きから端を発した株安・ドル安・商品先物安のために多くの一般投資家が甚大な被害を受けた模様ですが、このような時に鞘取りは、ほぼ無傷の状態でした。

 長期間市場に留まることがまず勝利への第一歩。と考えると、買いポジと売りポジを同時に持ち、同時に決済を行う鞘取りは、このような突発的事態に非常に優位です。

 前回は一般大豆とアラビカコーヒーの同銘柄・異限月同士の鞘取りの解説を行いましたが、結果を見ていきます。


◆一般大豆、前回レポート執筆時7月30日時点では、当限〜2番限〜3番限の間が、逆ザヤ状態。さらに期先2本の間のサヤ値が大きくオカメザヤ&前途期待型の順ザヤ状態。このような時は、先限売り建て、中限買い建てで順ザヤの縮小狙いが有利になりやすい。と書いたが、8月17日現時点では思惑通り順ザヤ縮小。08年6月限―07年12月限サヤ値1500円→1060円に縮小しました。(納会日を跨いだ為ブロックの位置が異なっています)

 この時点では、5番限と6番限の間が小さな逆ザヤですが、これは新甫発会とストップ安が重なったためであり、調整が入るでしょう。ただ、天候相場の終焉で先限から売られやすいことから、順ザヤの縮小狙いが有利と見ます。


◆アラビカコーヒー、同様に7月30日時点では、期近限月間のサヤ値と期先限月間のサヤ値を比較し、期近限月間の方が、やや順ザヤの値が大きく(+1370・+890)(+330・+610)在庫過剰の形の順ザヤ状態であり順ザヤの拡大狙いで利益を狙えないか?と書いたが、こちらも8月17日時点では思惑通り順ザヤ拡大。08年7月限―08年1月限サヤ値1540円→1720円に拡大しました。

 サヤ値は、拡大のトレンドが緩やかに継続しており、尚且つ、ブロック帳の上でも在庫過剰型の順ザヤ状態は変わっておりませんので、引き続き順ザヤの拡大狙い方針で攻めて行きたいところです。

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基礎知識から応用まで No.30

 逆ザヤについて。順ザヤと逆ザヤとを比較した場合、サヤの値動きに規則性が出やすいのは順ザヤです。普段順ザヤ状態の銘柄が、逆ザヤに至った時に、その過程を観察することで、逆ザヤの種類を判別して、果たしてこの逆ザヤを利用して収益を上げることが可能なのか、それとも様子見が賢明なのかの、ある程度の判断が可能です。

前途悲観の逆ザヤの例

 2007年度6月より、東京ゴムの同銘柄・異限月のサヤ値を追跡すると、ダラダラとしたはっきりしない逆ザヤ・同ザヤ状態が継続し、現在に至っております。

 東京ゴム相場自体は、07年5月23日に先限297円を高値ピークとしてダウントレンド継続中ですが、その過程で、期先の下落主導=一般大衆の悲観による買い意欲低下により逆ザヤに至り、6番限―3番限で見ると、0を跨いで往来しております。こういった時期は、後付けでサヤのチャートを見ると、1円幅・2円幅で取れそうに見えますが、なかなか取れない。例えば、片張りでデイトレードをされている方ならお分かりでしょうが、後場の値動きの無い小さなレンジ相場に於いて、取れそうで取れないのと同じ状態です。


 順ザヤ方向に復帰するか、逆ザヤが尚一層進行するかの一つの目安として、6番限―3番限のサヤ値が、0を境にして、正か負かどちらに放たれるかで確認します。


 07年7月5日のブロック帳上では、すべてのマス目が逆ザヤ値となり、さらなる逆ザヤの拡大も期待されましたが、順ザヤ方向に復帰。07年8月10日のブロック帳上では、期近2本間の隣同士のブロック帳の値を見ると、G月限とH月限のサヤは+0.4。H月限とI月限のサヤは+0.1。順ザヤ化。サヤグラフ上では、さらに下方向へ突き抜けての逆ザヤ進行も可能性としてありましたが期近限月からの逆ザヤ拡大の力も感じられず、再び順ザヤ方向に。仕掛けるには至らず。

 基本的には前途悲観型の逆ザヤの場合、あまり手を出さない方が良いでしょう。

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