「ゴールドディーリングのすべて2」の中締め
2009年8月5日

 「ゴールドディーリングのすべて2」の連載もあっという間にほぼ二年の時間が過ぎてしまいました。ようやく、だいたい当初書きたいと思っていた内容を書き終えました。この連載の「はじめに」の項には以下のように書きました。

 「少しでも参考にしてくれる人がいる以上、とにかく内容をちゃんと現状のマーケットに沿ったものにしたい、という私の思いと、折からのコモディティ・ブームに乗って、今回、この連載を始めることとなりました。一年くらいかけてゴールドディーリングのすべての内容を一新するのが目標ですが、その都度マーケットに関しておもしろそうな話があれば、横道にそれることもあえてやろうと思っています。どんな形の本になるかは出来上がってみないとなんともいえません。また本としてできる頃には、このコモディティ・ブームも一段落しているかもしれません。しかしながら、新しいこの連載および将来まとめられるかもしれない新しい本が、少しでもゴールドに興味を持ってくれた人々と、そしてゴールドに携わるすべての業界の人々の役に立ってくれるようなものになれば、それに増す喜びはありません。」

 今読み返すと結構的を射たことを書いているなあ、と我ながら感心してしまいます。この二年間、当時は予想もしていなかったような出来事がありました。まさかこんな金融危機が起こることがあるなんて、というのがその最たるものです。この連載が始まった当初2007年8月の金相場は600ドル台後半。

 それから二年、2009年8月現在、950ドル。850ドルという1980年につけた史上最高値は金輪際、更新されることはないだろうと思っていましたが、未曾有の金融危機を背景に金価格は急騰、とうとう最高値もあっさりと更新(1036ドル・2008年3月)されてしまいましました。

 この金融危機はいろいろな影響を多方面に与えました。「はじめに」に書いた通り、本来ならばこの連載は一年後に一冊の本にする計画でしたが、金融危機の影響(笑?)により、こちらのほうは遅くなりながらもようやく少し動き出してきたというところです。もし、本になるのをずっと待っていてくれた人がいるとするならば、誠に申し訳ありませんがもう少しお待ちくださいというしかありません。

 まあ、どっちにしろ、もはや二年の時が過ぎたがために、最初の頃の内容も二年前のもので、すでに更新の必要があるのですが。貴金属のマーケットに関心をもっているなるべく多くの人の参考になるような形で、そして今度はどこを探しても見つからない「幻の迷著」(笑)とならないような形で世の中に出せれば、と考えています。

 この連載の今後は、古くなってしまった情報の更新、そしてその時々の貴金属市場の注目点などを肩の力を抜いて書いていきたいと思っています。また、まったく貴金属市場とは関係ない話もあえて取り上げようと思っています。 Bruce Report を読んでくれている人はご存じですが、各地へのB級グルメツアーのレポートなんかもこちらに取り上げて行こうと考えています。たぶん貴金属市場に関する話よりも遥かにおもしろいです(笑)。

 ということで「ゴールドディーリングのすべて2」はこれをもって中締めということにします。これまで根気よく読んでくださりありがとうございます。また、今後とも飽きずにお付き合いいただければ幸せです。

★池水氏によるブルースレポート
http://www.ovalnext.co.jp/bruce/