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■デイトレード・短期売買の取引手法
 ここではデイトレードや短期売買の取引手法を紹介します。取引の手法にはメジャーなものから、各個人が考案したマイナーなものまで多数あると思います。ここでは本などで紹介されているもので、個人的に有効性が高いと思われる手法について紹介します。
 なお、取引を仕掛けた日に手仕舞うデイトレードに限らず、翌日や数日後に手仕舞う短期売買の手法に関しても触れたいと思います。その理由は、当日限りのデイトレードでは、普通に会社勤めをしている人には実行しにくいですし、さまざまな短期売買の手法を知ることで、投資家・トレーダーとしての幅が広がると考えられるからです。それでは解説に入りましょう。


@OOPS(ウップス)
 ラリー・ウイリアムズにより15年ほど前に紹介された手法ですが、数多くのマーケットでいまだに有効な手法です。ルールは簡単です。図1を参照して下さい。

(1) 買いのルール
 今日の始値が前日の安値よりも安く始まり、前日の安値を上抜いたら買い。
(2) 売りのルール
 今日の始値が前日の高値よりも高く始まり、前日の高値を下抜いたら売り。

 以上のように非常にシンプルなロジックです。しかし、長期にわたって有効なパターンであり、日経平均先物やガソリン、灯油などのマーケットで有効な戦略です。前日が陽線であったか、陰線であったか、ATR(Average True Range)の値などでフィルターをかけると成績が向上します。また、曜日によってフィルターをかけるといったことも銘柄によってはなかなか使えるテクニックです。

 なお、手仕舞いは各個人の判断によりますが、主な手仕舞いは次の通りです。
(1) 当日の大引け
(2) 翌日の大引け
(3) 翌日の寄り付き
(4) 最初に利の乗った寄り付き(First Profitable Open)
(5) 利益目標(例:300円とか500円)達成時。
(6) 損切り水準に達した時

 いろいろとシミュレーションしたり、各個人のやり方に合った手仕舞い方法を選んで下さい。


AADXギャッパー
 「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」で紹介されている手法です。OOPSにトレンド認識指標であるADX、DM+、DM−でフィルターをかけたものです(DM=ディレクショナル・ムーブメント)。OOPSに下記の条件で絞り込みを行います。

(1)買いのルール
 ・前日の引け時点で、12日で計算したADXが30以上。
 ・28日で計算したDM+がDM−よりも大きい。
(2)売りのルール
 ・前日の引け時点で、12日で計算したADXが30以上。
 ・28日で計算したDM−がDM+よりも大きい。

 手仕舞いのルールはOOPSと同じでいいと思いますが、短期売買入門の本では「含み益を減らさないように、仕切り値を引き寄せて利益を確保。大引け前に玉を手仕舞うか、強含みで引けるようであれば翌日に持ち越す」となっています。
 なお、ADXギャッパーはOOPSにトレンドでフィルターをかけることで、どの銘柄も勝率は向上する傾向があります。ただ、ADXが30以上というフィルターのため、仕掛けの回数が大幅に減少します。ですので、フィルターの有効性は高いものの、トレード機会の減少という欠点があります。
 ADXギャッパーは、OOPSのフィルターのかけ方で成績が向上するという好例になり、各個人でいろいろとフィルターを工夫する際のヒントになると思います。ADXに限らず、移動平均の上下などをフィルターにシミュレーションしても面白いかもしれません。


BFirst 1 Hour Range Break
 その日の最初の1時間(東京ガソリンなら9:00-10:00)のレンジを上方にブレークしたら買い、下方にブレークしたら売り。非常にシンプルですが、OOPSと並んで多くのトレーダーに用いられているEntry手法です。最初の1時間のレンジをブレークしたらブレークした方向にポジションを取ります。
 最初の1時間の動きが大きいと、その日はそのレンジ内での動きに終始することも少なくありません。その場合、最初の1時間のレンジからの飛び出しでポジションを取ると、ダマシに引っかかることも多々あります。ですので、その日の最初の1時間が動きが小さい日に使うとか、応用してみると役に立ちそうです。
 これも各人でいろいろとフィルターを工夫されると良さそうです。例えば、前日が陰線か陽線か、上げトレンドか下げトレンドか、前日の動きが大きいか小さいか、などです。
 また、レンジ縮小の考え方を取り入れても面白そうです。これは小さな値動きの後に大きな値動きがあるという考え方に基づいています。前日の高値−安値のレンジが過去4日間でもっとも小さい場合、次の日は大きく動く可能性があると考え、これをフィルター、あるいはEntryの条件に加えます。このルールは、First 1 Hour Range Breakに限らず、いろいろな局面で使えるテクニックです。


Cオシレーター系指標を利用した売買法
 次にOOPSやFirst 1 Hour Range Breakがヒットしない(適用できない)日は結構あります。こうした日に取引機会を見出すための手法が、RSI、ストキャスティクスなどオシレーター系の指標を使った売買法です。
 これらの取引手法は、デイトレード以外の一般の取引でも広く用いられています。ただ、そうしたケースとちょっと違うのは、OOPSなどのサインを優先し、あくまでもこの手法を副次的に用いる点です。
 図2は東京ガソリン2001年2月限の15分足です。チャートに重ねてあるのは、水色の横線が最初の1時間の高値・安値、ピンク色は最初の1時間の高値と安値の中間値です。下段の指標は10期間のスロー・ストキャスティクスです。
 このチャートでは、9月1日、8日ではFirst 1 Hour Range Breakが有効です。9月5日にはダマシにあっています。9月5日、6日などはオシレーター系の指標を使うと有効なEntryのポイントを探れそうです。


参考文献
(1)「株」はチャートでわかる       パンローリング編
(2)ラリーウイリアムズの短期売買法 ラリー・ウイリアムズ著
(3)相場で儲ける法             ラリー・ウイリアムズ著
(4)Connros on Advanced Trading Strategies Laurence A.Connors著