商品先物取引とは商品取引所と上場商品上場商品の取引要綱主要商品の概説情報の集め方取引上の注意事項
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■先物取引概説
 商品先物取引とは、商品取引所に上場されている商品を売買することです。商品取引所では毎日立会いが行われており、誰でも参加できる公開市場であることが特徴です。
 一般の商取引とは、売り手が買い手に契約した商品を渡し、買い手はその対価として代金を支払って売買が成立し、契約が履行されたことになります。これに対して商品先物取引とは、商品取引所に上場されている商品をその商品取引所の定めるルールにしたがって、「将来の一定期日に商品と代金の受け渡し決済を行う」ことです。
 受け渡しの時期には、通常の商取引と同様に品物を受け渡して決済することもできますが、その前に反対売買をして差金決済するのが一般的です。ですので、手元に現物がなくとも、その商品の値段が将来下がると思えば、売り手に回ることも可能です。
 商品先物取引の役割としては、リスクヘッジ機能、公正な価格を形成する価格形成機能、需要と供給のバランスを調整する需給調整機能などがあげられますが、最大の役割は資産運用の場を提供していることです。


■先物取引のメリット
売りからでも買いからでも参加できる
 商品先物取引は、売りからでも買いからでも取引に参加することができます。売りから入る場合、受け渡しの期日までに反対売買(すなわち買い)を行えば
 なお、売りで参加する場合でも必要とされる委託証拠金は買いの場合と同額です。株の場合だと空売りをするには、「預かり残高が100万円必要」といったケースがありますが、商品先物の場合は委託証拠金+手数料などのわずかな金額で売り建てもできます。もっともリスク管理の観点からあまり少ない資金でぎりぎりの売買をすることはお勧めできません。


リスクヘッジ機能
 価格変動のある商品を商う業者は、常に価格変動による損失(利益の場合もある)のリスクを抱えています。このリスクを回避、あるいは減少させる目的で行われるのはヘッジ(「保険つなぎ」と呼ばれます)です。
 リスクヘッジには売りヘッジと買いヘッジの2つがあります。売りヘッジとは、現物を持っている業者が、価格下落のリスク回避のために現在の値段で売り建てることにより価格下落リスクを回避できます。下落した場合は買い戻せば差益が得られます。もし、思惑とは逆に値上がりしても手持ちの現物を渡すことで損はしません。
 買いヘッジとは、将来のある時点で現物を買おうとする業者が、将来の価格上昇に備えて先物を買い建てることです。


少ない証拠金での売買
 また、少ない委託証拠金で売買できることも魅力のひとつです。ただ、少ない証拠金で売買できることは、裏を返すと損をするリスクも大きいということを念頭に置く必要があります。
 通常、商品の総代金の10%程度の証拠金で売買することができます。大半の商品の委託証拠金が10万円未満です。ただし、ギリギリの証拠金しか納めていないと、思惑と反対方向にわずかに動いただけでも追証拠金が発生しますので、資金には余裕を持つことが必要です。それと、資金目一杯の売買は、思惑と反対に動いたときのリスクを考えるとお薦めできません。余裕を持ちましょう。少ない証拠金で売買できるということは、それだけハイリスク・ハイリターンであることを 肝に銘じておいて下さい。なお、委託証拠金の額はその商品の価格帯などにより、毎月のように変動します。各取引所などのホームページでご確認下さい。


有価証券を証拠金に充当できる
 委託証拠金は現金に限らず、株券や国債や社債などの債券、倉荷証券などを利用することもできます。このため、長期投資で購入した株式の株券を預けて、商品先物取引を行うことが可能です。


■商品先物取引のリスク
元本が保証されない
 商品先物取引は相場商品ですので、当然のことながら、元本は保証されません。株式を購入した場合、現物株を持っていれば、その会社が倒産しない限り、株は無価値になりません。しかし、商品先物の場合、例えば金を購入して大きく値段が下がった場合は、元本が保証されないばかりか、当初預けておいた委託証拠金では足りなくなり、追証(追加の証拠金)がかかるケースも出てきます。


ハイリスク・ハイリターン
 これはメリットの裏返しです。少ない証拠金で大きく利益を出せる可能性もありますが、思惑と逆方向に相場が動いた場合、大きな損失を被る可能性があります。値動きが荒い場合などは、1、2日で証拠金が倍になったり、マイナスになったりするリスクを抱えています。ですので、資金には余裕を持ち、資金いっぱいの建玉をしないことが必要です。


値幅制限
 商品先物取引は、一般に株式取引に比べて値幅制限いっぱいのストップ高、ストップ安を付けるケースが多いようです。この場合、決済をしたくとも決済できず、当初想定していたよりも多額の損失を被るケースがあります。


■商品先物取引はどこでできるか
商品取引会社
 株式を売買する場合は証券会社に口座を開設して、証券会社を通じて売買を行います。商品先物取引行う際、証券会社に該当するのが商品取引会社(商品取引員)です。商品取引員は日本国内に数十社あります。会社によって、加入取引所や取り扱い銘柄が違いますので、口座を開設する際には、各商品取引会社のホームページなどでお調べになるか、各社へ直接お問合せ下さい。Money&Tradeのリンクコーナーでは、国内の商品取引員各社へリンクしています。ご参考にご利用下さい。
 なお、現在はホームトレードの手数料が自由化されており、従来の手数料体系が崩れています。インターネットを通して売買される方は、非常に割安な手数料で売買することが可能になりました。また、近年のインターネット取引の発達で、一般の投資家が得られる情報は昔に比べて格段に増えています。商品取引員によって提供する情報はさまざまなので、各社の提供する情報やサービスを比較されることをお薦めします。


■実際の売買に当たって
銘柄と限月の選択
 商品取引会社に口座を開設して、実際に売買を行う場合、まず「どの銘柄」の「どの限月」を「何枚」「売るのか買うのか」を決める必要があります。
 銘柄の選択の際に注意しなくてはいけないのは流動性です。流動性は出来高で判断します。あまりに出来高が少ない銘柄だと自分の小口の注文で値段が大きく飛んだりする可能性があります。ですので、1日の出来高が最低1,000枚はある銘柄を選択するべきでしょう。
 先物取引において、売買契約を最終的に決済する期限の月を限月といいます。2002年12月限は2002年12月に受渡しを行う取引です(取引の最終期日までに反対売買をすれば受け渡しを行う必要はありません)。
 限月に関しては、日本の先物市場では一番期先の「先限」の出来高・取組高が最も多いという特徴があります。仕掛ける限月は、期近の限月を仕掛ける特別な理由がなければ、流動性の高い期先限月を選択するべきでしょう。
 なお、12月限の「限」は「ぎり」と読みます。日経平均先物などの株式先物では2002年3月物というように限月を表すのに「物」を使いますが、商品先物では「限」を使います。株式の場合は売買の単位は100株、1000株ですが、商品先物の場合は1枚、2枚というように「枚」が単位となります。